
はじめに
「9月のセールが始まってから広告を強化しよう」
この考え方では、ECの大型商戦を最大限に活かすことは難しくなっています。
楽天市場、Amazon、自社ECでは、それぞれ売れる仕組みが違います。
楽天市場は、イベントやポイント施策をきっかけにユーザーが複数店舗を回遊する市場。
Amazonは、検索結果で商品を比較しながら、購入意欲の高いユーザーが短時間で意思決定する市場。
自社ECは、ブランドの世界観を伝え、購入後もLINEやメールなどを通じて顧客との関係を構築していく市場です。
だからこそ、9月商戦では単純に「セールをする」のではなく、
楽天=回遊・イベント
Amazon=即決・比較
自社EC=ブランド・CRM
という役割を理解したうえで、8月最終週から準備する必要があります。
1.最初に「売る商品」を決める
最初に決めるべきなのは広告予算ではありません。
9月に何を売るのか。
ここを明確にします。
全商品を均等に売ろうとすると、広告費も制作リソースも分散します。
おすすめは商品を、
・集客商品
・利益商品
・リピート商品
の3つに分ける方法です。
例えば楽天市場では、イベント時に価格やポイントで入口をつくる「集客商品」を設定し、その商品から関連商品やセット商品へ回遊させます。
Amazonでは検索需要が大きく、レビューや価格競争力のある主力商品に広告を集中させる。
自社ECでは利益率やLTVを考え、定期購入やセット販売へつなげる。
同じ商品でもチャネルによって役割を変えることが重要です。
2.アクセスを増やす前に商品ページを改善する
9月商戦前に最も確認してほしいのが商品ページです。
広告を増やせばアクセスは増やせます。
しかし商品ページのCVRが低い状態では、広告費を増やしても売上は効率的に伸びません。
仮にアクセスが10,000件あった場合、
CVR1.0%なら100件購入。
CVR1.5%なら150件購入。
アクセス数が同じでも、商品ページ改善だけで購入数には大きな差が生まれます。
特に確認したいのは、
ファーストビュー、商品画像、ベネフィット、FAQ、レビュー、SEO、スマホ表示。
この7項目です。
ユーザーが商品ページを開いた数秒間で、
「これは自分に必要な商品だ」
と理解できる設計になっているかを確認してください。
3.レビューを「数」だけで判断しない
レビューはECにおける重要な購入判断材料です。
しかし重要なのは件数だけではありません。
「使って3日ほどで違いを感じた」
「40代ですが使いやすかった」
「サイズ感は思っていたより小さかった」
など、具体的な使用体験が書かれているレビューほど、購入を検討しているユーザーが自分の利用シーンを想像しやすくなります。
店舗側では、
・レビュー依頼の導線
・商品同梱物
・購入後メール
・LINE配信
・レビュー内容の分析
まで設計しておきましょう。
レビューは評価を集めるだけではなく、次の商品ページ改善に使える顧客データでもあります。
4.FAQを購入直前の営業担当にする
ECでは接客スタッフがユーザーの横にいません。
だからFAQが重要です。
「いつ届く?」
「返品できる?」
「自分にも使える?」
「サイズは?」
「保証は?」
こうした疑問が残ったままだと、ユーザーは購入ボタンを押す直前で離脱します。
商品ページのFAQでは、問い合わせが多い質問だけでなく、購入前にユーザーが不安になりそうなことを先回りして回答することがポイントです。
FAQはサポートページではありません。
ECにおける「最後の営業担当」です。
5.楽天・Amazon・自社ECで施策を変える
チャネルごとの特性を無視して、すべて同じ販促を行うのはおすすめできません。
楽天市場
楽天ではイベント・ポイント・クーポン・ランキング・関連商品などによる「回遊」が重要です。
商品ページ単体だけではなく、
イベント入口 → 商品ページ → 関連商品 → 購入
までを設計します。
Amazon
Amazonでは、
検索 → 比較 → 即決
が基本です。
商品タイトル、メイン画像、価格、レビュー、配送条件、商品仕様など、比較画面で判断される情報の完成度を上げます。
自社EC
自社ECでは価格だけで勝負する必要はありません。
ブランドストーリー、商品開発背景、利用シーン、スタッフの想いなどを伝え、
購入 → LINE・メール → 再購入
というCRMまで設計します。
6.「売れた後」の在庫と物流まで確認する
セール施策で意外と見落とされるのが物流です。
広告が成功して注文が増えても、
「在庫切れ」
「発送遅延」
「問い合わせ急増」
が起きれば機会損失になります。
8月最終週には、
・販売予定数量
・安全在庫
・追加発注のリードタイム
・倉庫の出荷能力
・連休等による配送影響
・問い合わせ対応体制
まで確認します。
売上計画と在庫計画はセットです。
7.売上だけでなく「ACCESS → PRODUCT PAGE → PURCHASE」を見る
商戦終了後に「売上○万円でした」で終わってはいけません。
見るべきなのは、
ACCESS
↓
PRODUCT PAGE
↓
PURCHASE
↓
SALES UP
という流れです。
アクセスが不足しているなら、SEO・広告・SNS・イベント施策を改善。
アクセスはあるのに購入されないなら、商品ページや価格、レビュー、FAQを改善。
購入されているのに利益が残らないなら、広告費・クーポン・原価・送料を再設計。
さらに自社ECでは、購入後のリピート率やLTVまで追います。
EC運営は「広告を出す仕事」ではありません。
どこでユーザーが止まっているかを発見し、一つずつ改善する仕事です。
まとめ|9月に売るなら、8月最終週は「準備の週」
9月になってから、
「何を売ろう」
「バナーを作ろう」
「広告を増やそう」
では遅くなります。
8月最終週に、
商品選定 → 商品ページ → レビュー → FAQ → 販促 → 在庫 → 計測
まで準備しておく。
そして、
楽天=回遊・イベント
Amazon=即決・比較
自社EC=ブランド・CRM
というチャネルごとの役割を理解する。
この2つだけでも、9月商戦の戦い方は大きく変わります。
編集長コメント
ECの現場では「セール=値引き」と考えてしまいがちですが、本当に差がつくのはセール開始前です。
アクセスを増やす前に商品ページを整える。広告を増やす前にCVRを見る。売る前に在庫を確認する。そして購入後のリピートまで設計する。
大型イベントを一過性の売上で終わらせず、次回購入につながる顧客獲得の機会として捉えることが、これからのEC運営では重要です。
9月商戦に向けて、
「楽天市場の商品ページを改善したい」
「広告費を使っているのに売上が伸びない」
「楽天・Amazon・自社ECをどう使い分ければよいかわからない」
という企業様へ。
株式会社イレヴンアップフィールドでは、EC戦略から商品ページ改善、販促企画、店舗運営まで、実務に踏み込んだECコンサルティング・運営支援を行っています。
ECの可能性を、もっと大きく。
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